苫小牧から支笏湖



苫小牧から支笏湖までは北の森が続いていた。街を出てすぐにあのような森が続いていたことは意外だった。札幌に行く方は自動車で混んでいるからこっちの道の方がいい。
支笏湖までは40キロくらいだった。しかし常に自転車では長く感じるものである。今回は延齢草がいつも道の辺に咲いていた。

オオバナエンレイソウは北海道のある学校の紋章にもなってをり北海道を象徴する花の一つで気にいった。延齢草という名前がなんともいいのである。葉も厚く名前が合っているし思えばどうしてこんな名がついたのか不思議である。おそらく薬草の一種だったのかもしれない。長生き草とか言っていたのかもしれない。
ともかく自転車で走りに走りようやくまた一夜泊まる場所につく、こうしてようやくやっと一つの旅路の宿につく、その疲れることがまた旅なのである。自動車やバイクではあまりにはや過ぎる、旅は遅くないと旅にならないのだ。「草臥れて宿かるころや藤の花」である。旅もまた現代から失われたものの一つである。
奥深い大きな森に夕風がそよぎ大きな森がざわめきしんと太古の静寂に返る、その時我が心も鎮められる。オオバナエンレイソウが森の奥深くまで咲き夕日がさしこむ。そしてこの道にコブシの真っ白な花がどこまでも咲いては消え咲いては消えた、コブシは
旅路のどこまでも咲いていた。それは本当に身を清めるように白いのだ。修験者の白装束か聖衣のように白いのだ。それは森の中の水たまりにもそっと映されていた。残念だがその写真はなくした。この道は本当にいい道である。サイクリングロ−ドを作っているのも北海道ならではの贅沢さである。


 
支笏湖の国民休暇村の宿
 


支笏湖にできた新しい国民休暇村は設備もいいし接待もいいし場所も一番いいところにあり料金もはじめたばかりでキャンペ−ン中というところで5千500円だった。いいことづくめの宿だった。少なくとも一万以上はとられるホテル並みの宿である。私は今回いろんな宿に泊まった。その最初がこの宿だった。私は一万以上となるとほとんど泊まったことがない、この宿は十分に一万以上する宿だった。ここは環境も抜群だし休める、夏は予約なしでは泊まれないだろう。
肌つるつるになる温泉も良かった、本当に肌がぬるっとなってつるつるになる、肌が弱いので自分には良かった、また秋に行きたいところだ。たた料金がどうなっているか心配だ。ここはインタ−ネットで予約できる。支笏湖も気に入った。回りにお土産屋などが少しあるだけで温泉街とは違う、支笏湖の神秘の湖を堪能できる。残雪があって交通止めと言って入れないようになっていたが自転車はたいがい通行止めの所も入れるのである。道が崩れていてもたいがい通る道はある。完全に崩れて通れない所はなかった。ここを一周してみると支笏湖の神秘な姿に恍惚とした。コブシは雪のように真っ白で大きなシラネアオイが朝の光の中に咲いていた。こういう湖はいい、周りに家がないことがいいのだ。
      









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