波照間から石垣へ(7月30日ー31)

7月30日(波照間の一日)

波照間から石垣に帰って来た。波照間はキャンプはできない。予約制で泊まっている人が多いらしい。偶然「ヤドカリ」という素泊まり宿があって泊まることができた。沖縄の宿は本土とはかなり違う。素泊まり宿でもシャワーとか冷蔵庫も使えるし長期でも安く滞在できるようになっている。自転車旅行はまず汚くなるのでこういう宿が重宝である。二食付きの普通の宿より素泊まり宿の方が泊まり安い、自炊はしないが気楽だし洗い物したりと入りやすいのだ。
波照間は一日で見るところがなくなるほど小さい島だった。南十字星は6月に見えるそうで見えなかった。流星群があったとか確かに流星をいくつか見た。波照間からは西表島がはっきり見える。ということは波照間は石垣島からそれほど遠いといえない、波照間から石垣にゆく船の便は二回しかない、とにかく道を自転車で走ったら山羊が遮る。山羊も波照間の住民なのだ。ため池がいくつかあった。本土にある古いため池ではなく新しく作った貯水場である。昔の古い井戸があった。それと烽火台という船が来るの知らせる見晴台が歴史的なものとして残されている。エメラルドグリーンの海とあとは何もない。あそこにいたら退屈だろうなとさすがに思った。本土だと陸続きだから小さな町でも大きな町や大きな自然とつながっている。往来も盛んである。しかし波照間にはそれがない、船で行くにしても金がかかるし大変である。それにしても暑さにはまいる。昼間は頭がくらくらする。動くことができないから仕事も一時間以上休んでいる。3時間くらい日陰でじっとしていた。クーラーないところですごしてきたからつらい。風は涼しいのだがこの暑さは尋常ではない。ずーとまともに食事していない、沖縄ソバばかりである。これは暑さにいい。それからジュース類は飲んでもいいものではない、ただ牛乳とか玄米の液状のジュウースとか麦茶は暑さにいい。氷水などは食わない方がいい。余計に喉が渇き体に悪い。日本だからこの暑さでも栄養はとることができる。ご飯を食わなくてもご飯変わりになるものがいい。紅芋のジュースなどもいい。他のジュース類は栄養は実際あるのかどうかうたがわしい、飲みやすくうまいのだが栄養が本当にあるのかどうかわからない。ともかくぐったりする暑さだ。石垣に帰って2000円の宿を見つけた。ここは炊事場とか同じように設備があるのだがビジネスホテルとにている。若者が長期滞在して騒いだりするところではない、クーラーがあるのだが個室ではなく大きな部屋全体を冷やしている。それがそれほど冷えていないから暑く感じる。でも自分にとってはすごしやすい。

夏の海海鳥飛びて島と島

海鳥もねぐらにするのは島なのだ。海のなかで寝ることはできないだろう。

海よりの朝日のさして波照間にユウナ開きぬ何か淋しく

朝の蝉サトウキビ畑に農夫かな

烽火台に海を望みて夏の雲

波照間に涸れたる古き井戸一つそれのみ深く心に残りぬ


家静か福木の影濃く炎暑かな

貝一つ磯に離れず波照間の海美しく住める人かな


磯についた小さな貝をとろうとしたらこれが接着剤のようにくっついて離れない、これには驚いた。本当にいくら引っ張ってもとれなかった。貝も生きようとして磯から離れないのだ。石垣に帰ってきた。

夏の海船は帰りぬ石垣に通りふくぬく風の涼しき



7月31日(石垣市にて)

今日は一日石垣市にいた。船は一杯で予約できない、キャンセル待ちの人が並びに行った。今月一杯くらい席がとれない。自転車もそうだがバイクは困るだろう。石垣の飛行場は近いから楽だが那覇でいったん乗り換えになるから困る。自転車は前の車輪をはずさないと袋に入らない、手間がかかるのだ。那覇に用があるのでまた泊まるとなるとめんどうである。まああとここから黒島と竹富島と石垣市の観光が残っている。石垣は物価が一割二割程度高い。2000円の宿でもここには長居はできない、物価が高いからできないのだ。那覇では物も豊富だし物価も安い。だから長居ができるのだ。

朝の海ユウナに舞うは何の蝶

夏の朝広々としてリーフによす波の白しも石垣の浜


黒い蝶がいた。黒い羽に白い紋がちらと見た。かなりこちらの蝶を見慣れてきたが見たことのない蝶かもしれない。
石垣島は大きい、サンゴ礁の領域も広いからリーフの波も横に長くつづいている。ただ沖縄電力ができたり橋ができたりとかなり変わってしまった。塔や橋は景観を壊してしまった。浜を歩き街の中を歩いた。貝だけを売る小さな店があった。通りにも貝を山づみにしていた。そこで珍しい宝貝を売っていた。宝貝にもそれぞれ名前があった。図鑑をだして説明してくれた。千円だったがこれはなかなかとれない貝だと思った。

石垣の通りに買いぬ宝貝真夏の陽射し海の風吹く

石垣にいれば通信は簡単である。旅行もここから日帰りだから楽である。とにかくオリタタミ自転車は沖縄では役に立った。そうでないと毎日借りることになるから一日千円とかになり20日間で二万円にもなった。小さな島をめぐるには自転車が一番むいている。